『1万円起業』を読んで~起業したい方へオススメの一冊

 

1万円起業 クリス・ギレボー著

 

この本と出合ったのは、意外にも図書館だった。

自分は今現在、会社員という肩書ではあるが、
数年前から、このまま会社員として定年まで働き続けることに疑問を抱いていた。

 

自分で何か事業を始められないか。。。
しかしどうやって。。。
そもそもこんな年齢から起業なんて。。。

 

多くの日本人がそうであるように、起業というものに対して
ネガティブなイメージしか思い浮かばなかった。

で、たまたま寄った図書館で、目の前にあったこの本を
思わず手にし、パラパラと冒頭部分を読んでみた。

 

。。。目の前がパッと明るく開ける思いだった。
この本の著者、クリス・ギレボー氏は自身もコーヒー豆の輸入販売から
ビジネスを始めた起業家の一人であるが、この人は世界中で
マイクロビジネスを成功させた多くの人々にインタビューを行い、
その内容をまとめたのが、この『1万円起業』であった。

 

 

読んでいて楽しくなるビジネス書

 

様々な理由やきっかけで、思いがけずビジネスを始めて、
成功を納めた人たちの思いが描かれている。

 

例えば、
仕事のかたわら世界中を旅することが好きな男が、
航空券の予約やマイレージの利用に関する高い知見を使って
航空券予約サービスを始めた話。

 

世界中の花嫁のために美しいドレスとブライダルアクセサリーを
作って一生に一度の思い出を演出するビジネスを立ち上げた話。

 

ある日突然会社をクビになった営業マンが、
たまたま聞きつけた大量のマットレスの在庫を仕入れ、
それを売り切ろうとしているうちに、町でも有名な
マットレス販売の会社を立ち上げてしまった話。

 

デザインの仕事に行き詰っていた友人同士が、
たまたま自分たちのためにだけ作った旅先の地図を
試しに販売したみたところ、思わぬ好評を得て
オリジナリティに溢れた地図の販売をビジネスとして立ち上げた話。

 

どれも、自分たちが元々持っていたスキルを活かして
目の前の課題を解決しようとする過程で、いつの間にか
起業していた、という面白いエピソードばかりだ。

堅苦しい起業指南の書籍と比べると、どのエピソードも臨場感とリアリティに溢れている。
日本人はとかく起業にマイナスイメージを抱きがちだが、そんなネガティブなマインドを
取り払ってくれる良い本だと思う。

 

楽しく起業を目指してもいいのでは

起業と言うと、
会社勤めしていた人間が一念発起し、
退路を断つ思いで会社をやめ、家族や多くの友人から借金をし、
まさに人生をかけて会社を興す。
そんなイメージを描く人が多いであろう。

 

ところがこの『1万円起業』、
タイトル通り、1万円は若干大袈裟だが、
わずか数万円、十数万円という資金で始めたことが
いつの間にか自分たちが食べていくには十分な収入を得るまでに
なるというエピソードばかりだ。もちろんすべて実話だ。

 

私は以前、ある起業セミナーに参加したことがあり、
その時に勧められた書籍を読んだが、それはある日本人の起業体験をもとにした内容だった。
非常に起業というものについて事実も交えて赤裸々に語られていたが、
正直ネガティブな感情しか残らなかった。

本の主人公は起業した当初、自分の妻からも疎ましい目で見られながら
立ち上げた事業を軌道に乗せるのに必死で働き、やがて徐々に事業が上向く。
少しずつ人を雇い始めてさらに事業は拡大するが、信頼していた同僚の裏切りや
家庭を顧みずに働いた結果、妻が家を出ていく、などと読んでいて具合が悪くなりそうな
展開ばかりで、読んでて気持ちが悪い。

どうも日本人の気質なのだろうか。
「起業するからには、覚悟を決めろ」とか、
「これから大変な事が待ち構えている」とか、
あたかも精神修行さながらの事ばかりだ。

自分も日本人だが、もう少し明るい未来に胸躍らせながら
低リスクで起業を考えることが出来ないものだろうか、と思ってしまう。

 

その点、この『1万円起業』は、
著者もアメリカ人であるからか、どちらかと言うと
起業をポジティブに捉えていると思う。

 

もちろん自分でビジネスを興すのだから、会社員でいるより大変な事は確かに多いだろう。
全て自分でやらなければならないのだから。

 

かと言って、何も最初からネガティブな感情を持ってやる必要はない、
私はそう思っている。
起業という言葉が頭によぎったあなた、
まずは堅苦しいことは考えず、この本を手に取ってみてはいかがだろうか。

単に成功者のエピソードだけではなく、マイクロビジネスを成功させるための考え方について
非常にシンプルに述べられている。
最初に手に取る一冊として、是非おススメしたい本だ。

 

【2018/10/13追記】

この記事を書いてから1年以上が経過したが、
現在私は会社員を辞め、フリーランスのシステムエンジニアに転身している。
まだ、この本に書かれている方々のような成功は納めていないが、
以前より仕事のやりがいも出てきて、収入も会社員自体より少しずつ良くなっている。

いずれは、この本に書かれているような成功を納めてみたい。
単に売上だけの成功ではなく、本に登場する皆さんのように「事業を楽しんで」成功させるのが目標だ。

 

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