手で簡単に割れる石が札幌にあるのをご存じだろうか?
突然ですが、あなたは
「手で簡単に割ることができる石」があることをご存知でしょうか?
しかも、その石は吸水性に優れていて、しかも札幌周辺でしか
採掘できない石なのです。
おそらく多くの方は知らないでしょう。
私も札幌に住んでいながら、今までその存在を知りませんでした。
その石の名前は「札幌軟石」といいます。
たまたま、近所の本屋にて、
札幌軟石を使った工作を行うワークショップが開催されているのを知り、
子供と一緒に参加してきたのですが、父親である私のほうがすっかり
札幌軟石に興味を持ってしまいました。
予め、家の形にカットされた軟石を好きな色に着色し、最後に好きな香りの
アロマオイルをしみ込ませる、という内容でした。
出来上がりは以下のような感じです。
札幌軟石とはどんな石?
そもそも、「札幌軟石」とはどんな石なのか?
気になったので、ワークショップの開催者に伺ってみました。
以下の2点が大きな特徴だそうです。
- 非常に柔らかい
- 吸水性がある
非常に柔らかい石である
まさにその名の通り、非常に柔らかい石です。
私が実際に体験したのですが、試しに以下のような薄い軟石を
手で割れるか試してみました。
上記はおおむね厚さ5mm~10mmの石ですが、
手で簡単に割ることができました。
なんせ、小学校1年生のうちの娘でも割れたのですから、
相当柔らかいと思ってください。
明治の北海道開拓時代には、この札幌軟石を使った建物が多く
造られたそうです。北海道は寒いので、昔は火で暖を取るしかありませんが、
木造の建物では火事に弱いという事で、石造りの建物が好まれたようです。
確かに、車で市内を走ってても、たまに古い倉庫なんかは石造りのものが
多かった気がするな。。。
吸水性がある石
ワークショップでは、実際に軟石の表面にアロマオイルを
ふりかけていたのですが、みるみる表面からしみ込んでいくのが
わかりました。
イメージ的には、珪藻土で塗った壁に霧吹きで水をかけたときに
しみ込んでいく様子に似ています。
札幌軟石は、約4万年前の北海道での大噴火により、
現在の札幌およびその周辺に大規模な火災流が広がり、
それが札幌軟石を生み出したと言われているそうです。
ですので、札幌軟石は基本「軽石」と同じような構造なんだそうで、
そのため吸水性が高いのです。
こんな石が札幌にあったとは
札幌には、昔の採石場を利用して作られた「石山緑地」という公園があり、
古くから石切り場があったことは何となく知ってはいましたが、
実際に切り出された石の特徴までは知りませんでした。
ただ、今回こんな石があることを知って、
自分が趣味を兼ねて行っている「ものづくり」に是非とも
活かしてみたい気持ちになりました。
自分が育った札幌で、
札幌でしか採れない素材を使った作品を作り、
その作品を通して、より札幌の事を知ってもらう。
こんなことが出来れば、素敵な事だなと思いました。