ニセコが外国人に大人気の裏で抱える問題とは?

Photo-Mix / Pixabay
世界的に人気となったニセコにも色々問題が
札幌に住む私にとって、ニセコは車で3時間で行ける大型スキーリゾートだ。
大変重宝しているリゾート地である。
ただ、私が子供の頃に比べると、ニセコは大きな変貌を遂げた。
以前別の記事でも書いたが、完全に「外国」化しているということだ。
私は一時英語学習に力を入れていたこともあり、手軽に行ける留学先として、ニセコ、特にヒラフエリアはとても便利な場所だとこのブログでも書いた。
それは今も変わらない。お金に余裕があれば、ぜひともニセコで滞在してスキーを楽しみたい。
しかし一方で、問題も出てきているようだ。
ラーメン一杯2千円…ニセコ、ほぼ完全に外国化?外国人だらけ、日本人にもパスポート要求
上の記事を読んで、同意できる点もあれば、そうでない点もあった。
この記事で主に紹介されているのは以下の2点だと思う。
・物価が高い
・日本人が利用しづらくなっている
私も2015, 2016年と2年連続でニセコに泊まりでスキー旅行を
してみたが、実体験をもとにこの問題を検証してみたい。
物価が高いのはリゾート地の宿命か
2015年から2シーズン連続でスキー旅行に行った。
いずれも2月から3月にかけて、ヒラフのペンションで2泊した。
そこで感じたのは、飲食代がやはり高いことだ。
上で紹介した記事のように、ラーメン1杯2千円する店もあったかもしれない。
私たちはラーメンは食べなかったが、スキー場のロッジなどで食事しようとすると、
一人2千円くらいはかかったかもしれない。
私達はなるべく飲食代を安くしたかったので、次のようにした。
1日目
昼:午前中は札幌からニセコへ移動のため、車内で昼食(道の駅で買った)。
夜:ヒラフのピザ屋さんでテイクアウト
2日目
朝:ペンションで朝食(宿泊料金に含まれる)
昼:アンヌプリのロッジで食事
夜:ヒラフのペンション街にある居酒屋さん
3日目
朝:ペンションで朝食(宿泊料金に含まれる)
昼:札幌への帰り道の途中でうどん屋さん
おそらく、スキー場内のロッジか、スキー場周辺の近場でレストランなど入ろうものなら、ひとり1000円~2000円は覚悟したほうがいいだろう。
十分お金がある方なら問題ないだろうが、1食千円以内で済ませたい方であれば、テイクアウトにしてホテルかペンションで食べるなど工夫したほうがいい。
私たちは、2015年に旅行したときは、昼飯をヒラフから少し離れた、倶知安駅から近い蕎麦屋さんで昼飯を食べたことがある。地元民で、車があるからこそできる技だ。
ただ、スキーリゾートであればどこへ行っても飲食代は高くつく。
リフト券ならなおさらだ。
世界的に見ても、リゾート地というのはとかく物価が高くなりがちだ。そこは仕方ない。
ただ、知恵を絞ればいくらでも安くする方法もある。
私達が泊まったペンションには、オーストラリアから来た家族も泊まっていた。
ペンションのオーナーに聞いた話では、2週間くらいの滞在だそうだ。
ただ、たまたま部屋のドアが開いていたので見えたのだが、高校生くらいの娘二人が部屋でカップヌードルを食べていた。
長期滞在ならそれくらいの節約はするよな、と思ったのを覚えている。
外国から来る人がみなセレブではないのだ。
ちなみにそのペンションはログハウス風で、私達が泊まったプランは大人が1泊6000円(朝食付き)。
決して高い価格ではない。

日本人が利用しづらくなっているかもしれないが
先ほど紹介した記事では、「日本人なのにチェックイン時にパスポートの提示を求められる」ホテルもあるらしい。
私はそのような場面に出くわしたことはないが、とにかくニセコの外国化(特にヒラフ)は著しい。
ニセコでは今後、2019年にパークハイアットが開業する。
他にも、リッツ・カールトンもニセコに進出する話もあるようで、ニセコへの外資系ホテルの進出は当分続くのかもしれない。
最近ではコンドミニアムの建設も進んでいるが、こちらも外国資本によるものが多い。
私達が宿泊したときも、建設中のコンドミニアムとおぼしき建物がたくさんあった。
ただ、もともと日本人が経営しているペンションもまだまだ頑張っている。
中には、外国人が増えたことが嫌気がさして、ニセコを離れたペンションのオーナーさんも多いらしいが、外国人のスキー客にも対応し頑張っているオーナーさんもたくさんいる。
別に外国人が多いからって、日本人がしり込みすることはないと思うのだが。
だってここは日本だし、北海道なのだから。
言葉が通じなくたって、スキーをしに来たのだから関係ないでしょう。
私は英会話の練習がしたくてニセコを選んだのもあるが、べつに話せなくても支障はない。
ヒラフだと不便かもしれないが、ヒルトンニセコビレッジと、ニセコアンヌプリに関しては
ヒラフほど外国人率は高くない。
ニセコは外国人だけのものではないのだ。
尻込みなどせず、堂々とニセコを満喫したいものだ。
2018.4.7追記
2019年にニセコ花園に開業予定のパークハイアットだが、
すでに高級コンドミニアムの分譲を開始しているようだ。
Park Hyatt Niseko Hanazono ホームページへ
まだ詳細な情報はそれほど載ってはいないが、
ニセコエリアの高級路線化は想像以上のスピードで進んでいる。
そんな一方、スキーリゾートとして日本より何十年も先を行く
スイスでは、観光産業が伸び悩んでいることが問題となっているらしい。
伸び悩むスイスの観光産業 打開策はあるのか?(swissinfo.chより引用)
現地通貨のフラン高が原因との意見もあるようだが、
欧州からの観光客に的を絞りすぎている事も原因のようだ。
現在ニセコは比較的昇り調子ではあるが、
高級路線に走った結果、更なる物価高騰を呼び、海外の富裕層以外
誰も立ち寄らなくなるエリアになりはしないかと心配でならない。
海外からも観光客を呼び込まなければ立ち行かなくなる現実もあるとは思うが、
地元の人間が近寄れないほどの高級化は望んでいない。
ぜひとも道や周辺市町村レベルで、今後のニセコエリアの在り方を
十分議論の上、開発を進めて欲しいと思う。
地元の活性化があっての観光地だと思うし、
地元の人間としても、もっとニセコを楽しみたいと切に願う。
